総合優勝!!「25 Hours of Thunderhill 2015」
2015/12/10
ブログでのご報告が遅くなりました。
先週末にアメリカ・カリフォルニアで行われた「25 Hours of Thunderhill 2015」では、25時間の長く過酷なレースを全てノーミス・ノートラブルで走り切り、2位以下に35周の大差を付けて総合優勝で飾る事ができました!!!
Twitterを見てくださっている方は、Flying Lizardのツイートでタイムリーに情報を見て頂いているかもしれませんが、レースウィークを通じて全てが完璧な週末になりました。
LMP3マシン等のプロトタイプマシンも多く参戦していたので、予選こそ総合6位に留まりましたが、GTマシン(ツーリングカー)では最上位。
カリフォルニア時間で土曜日の11時にスタートした25時間の決勝レースは、Darren Law選手⇒藤井⇒Guy Cosmo選手⇒Johannes van Overbeek選手の順に、全ドライバーが連続ダブルスティントを走る戦略で25時間の長丁場レースへ挑みました。
Darren選手の1・2ダブルスティントの後、3・4スティント目が最初の仕事。13時半~16位までの2時間半強を走りましたが、このThunderhillはコース幅がとても狭くバンピーなうえに、65台もの複数クラスが混在するレース。そして、多くのコーナーがブラインドコーナーとなっており、さらにマシンのフロントが一瞬浮くようなジャンピングスポットが3箇所。先が見えないコーナーが多く、神経を多く使いました。さらに、このレースでは安全性を考慮したレギュレーションで、黄旗追い越しや接触には重いペナルティ(ペナルティストップ10分)が課せられるため、とにかく、安定してミスなく速く走ることがドライバーの仕事。
とはいえ、この狭いコースに多くのマシンが混在していれば、接触やアクシデントは日常茶飯事。多くのマシンがペナルティ-や接触、マシントラブル等で戦線離脱していく中、我々のFlying Lizard&Toyo Tiresチームはミス無く、安定したペースで走行を重ねたお陰で、自分の最初の担当ダブルスティントを終えた時点で総合1位へ浮上。
その後は、Guy Cosmo選手⇒Johannes van Overbeek選手が各ダブルスティントを担当し、Darren Law選手の2回目の担当スティントの後、真夜中の1時~2時半が2回目の担当スティント。夜10時から雨が降り出していた影響もあり路面はちょ濡れ。天気予報的にも乾く方向だったため、I/Mタイヤではなくスリックタイヤを装着して夜中の担当スティントへ向かいました。正直、夜中で視界も悪い中、路面が濡れた中でスリックタイヤで行くには大きな抵抗がありましたが、ストラテジストであるThomasの指示を信じてスリックで行きました。
もちろん、ラインを少し外せば簡単にコースオフしてしまいますし、夜中で霧もあり視界は悪く本当に緊張感のある走行でした。そして、無事に夜中の担当スティントを終え、Guy Cosmo選手へバトンを繋ぎました。
この時点でも総合2位に対して数ラップの大きなリードが築けていましたが、ワンミスをすれば全て終わり。ペナルティを取られるようなアクシデントがあると、簡単にマージンが無くなってしまいますし、チームもドライバーも慎重に、そして確実な仕事を続けました。
翌朝7時を過ぎると明るくなり始め、夜中のスティントに再び降り出した雨は止むことがなく、ウエットコンディションのまま昼12時のチェッカーフラッグを目指さなければならない難しいコンディションでのレースが続きました。レースが20時間を経過した時点でも、Flying Lizard&Toyo Tiresチームの#45 Audi R8 LMSは一度もミスやトラブルがなく、安定してトップを独走。
そして、長く過酷な25時間レースのチェッカーまで残り1時間強となった最終スティントが自分の最後の担当スティント。途中雨が強く降るようなウエットコンディションの中、最後のフィニッシュドライバーという大きなプレッシャーを背負い、必ずミスなくチェッカーまでマシンを運ぼうと集中してマシンを労わりながら周回を重ねました。
そして、アメリカ・カリフォルニア時間の6日の昼12時、過酷なコンディションの中で25時間も長いレースが続いた「25 Hours of Thunderhill 2015」を総合優勝のマシンとして最初のチェッカーを自分が受けることなりました。
チェッカーを受けた時は「嬉しさよりホッとした気持ち」、そして、今年1月のデイトナ24時間レースに続き、Flying Lizard Motorsportsとの2回目の仕事。今回も自分として良い仕事ができた手応えがありますし、彼らのレースオペレーションは今回もとてもレベルが高く、その全てが完璧だったと感じました。
Toyo Tires USAとFlying Lizard Motorsportsとのパートナーシップにより、今年よりアメリカでスタートしたタイヤ開発プログラム。この僅か1年の間に彼らが開発してきたタイヤで初の実戦レースをともに戦いましたが、ドライに関してもウエットに関しても、1年の開発期間とは感じられない高いレベルに仕上がっておりました。デイトナ24時間での総合優勝をはじめ、ルマン24時間、セブリング12時間、アメリカンルマンシリーズ、プチルマン等、多くのレースで実績を持つDarren Law選手が中心となり、Flying Lizard Motorsportsとともにタイヤ開発テストを続けてきたプロジェクトのスタートから約1年。
実戦での初レースが過酷なThunderhillでの25時間レース。それを総合優勝という最高の形で締めくくれたには、常にパーフェクトなマシンを用意して、素早く完璧なピットワークで各スティントへ送り出してくれたFlying Lizard Motorsportsのスタッフ、25時間の過酷な状況下の中、一度もトラブル無く安定して走行できたAudi R8 LMS ultraの性能と信頼性。そして、デビューレースにも関わらず全スティントで安定したタイヤ性能を発揮する事ができたのは、Toyo Tiresがこのレースに向けて用意した200本(50セット)の開発用タイヤの性能と、Toyo Tires USAのアメリカ人スタッフや、日本のToyo Tiresからもチーフエンジニアの加藤さんを中心に3名体制でタイヤエンジニアの方がこのレースをサポートしてくださったおかげです。
そして、Flying Lizard MotorsportsとToyo Tires USAが選定をして選ばれた、今回のドライバーランナップ。Darren Law選手、Johannes van Overbeek選手、Guy Cosmo選手等、ALMSやデイトナ24時間、セブリング12時間等、数々のメジャー耐久レースで多くの実績がある選手ばかりなので、耐久レースのスペシャリスト。彼らとともに25時間の長丁場を通じて完璧なチームワークで仕事をする事ができ良い経験になりました。
丁度、1年前の12月。デイトナ24時間レースに向けてた交渉でダイレクトメールを送ったところから始まった自分のアメリカでの活動。12月22日に初めてサンフランシスコへ行きソノマのFlying Lizard Motorsportsのファクトリーへ行ってからまだ一年。デイトナ24時間レースに続き、今回はアメリカでのタイヤメーカーとの大きなプログラムに声を掛けてくれて、ドライバー契約をしてくれた事にとても感謝しています。特にDarrenやThomasがこの契約を進めてくれたので、彼らが目標としていた優勝という結果に貢献できて嬉しく思います。
そして、世界各地の数々の耐久レースを制してきた現行「Audi R8 LMS ultra」に、最後の総合優勝をプレゼントできた事もとても嬉しく思います。
Flying LizardやToyo Tires USAのTwitterや車載ライブストリーミング映像等、日本から多くの応援をして頂きありがとうございました。
これで、2015年の全てのレースが終了しました。
来シーズンの活動内容や体制等は発表できるタイミングになりましたら、ブログ等でご報告をさせて頂きます。
デイトナ24時間から始まった2015年シーズン。SUPER GT、スーパー耐久、その他活動等、一年間沢山の応援を頂きありがとうございました!そして、来年も引き続き変わらぬ応援を宜しくお願いいたします!!
今日は久々に家でゆっくり休んでいます。我が子が産まれて12日経ちましたが、アメリカへ行っている間にスクスク成長していました。今日は初めてお風呂とオムツ交換を担当。そして、今日は自宅にカメラマンさんを呼んで家族写真の撮影もしてもらいました(*^^*)
明日はスポンサー企業様の年末パーティーへ出席して、明後日からは香港へ行ってきます!